SNSトレンドレポート

「ウマ娘」が競馬人気に与えた影響とは

「ウマ娘」が競馬人気に与えた影響とは

ウマ娘とは?

ウマ娘とは『ウマ娘 プリティーダービー』の略称で、競走馬を擬人化したキャラクターを育成するCygamesによるスマートフォン向けゲームアプリとPCゲームです(公式サイト)。
2021年2月4日にサービスをスタートし、2021年4月のモバイルゲーム売上ランキングにおいて世界全体3位を記録するなど急速に人気を拡大しています。

「ウマ娘の影響で競馬を見始めた」「ウマ娘で競馬に興味でた」といった投稿や、G1レースが開催される日曜日に多くのキーワードがトレンド入りするのを目にしたことはありませんか?
今回は「ウマ娘」が競馬の人気に何かしら影響を与えているのではないか?という仮説を元に、競馬人気に与えた影響や効果を、ソーシャルリスニングツールQuid Monitor(旧NetBase)で分析したレポートをご紹介します。

ソーシャルリスニングツールQuid Monitor(旧NetBase)とは

ソーシャルリスニングツールQuid Monitor(旧NetBase)

Quid Monitor(旧NetBase)はリアルタイムに膨大なソーシャルメディアデータを分析できるプラットフォームです。圧倒的な実行スピードと多彩なフィルタリング機能で何百万ものソーシャルメディアにあふれる投稿を分析します。多彩なフィルタリング機能により、スラング(俗語)や略語、コンテキスト(文脈)が曖昧なものから正しい洞察を導きます。
リアルタイムに膨大なソーシャルメディアデータを分析することで、すべてのビジネス領域において活用することができます。

目次

「競馬」のSNS投稿数に「ウマ娘」は影響しているのか?

まずは2019年6月から2021年5月中旬までの「競馬」を含む投稿数の推移をみてみましょう。

競馬投稿推移

新型コロナウイルス感染拡大により2020年は無観客での開催となった期間もありましたが、全体的に投稿数は増加傾向となっています。
そして一目でわかるほど大きな投稿数の変化があるのは2021年2月21日頃です。「ウマ娘」のサービス開始後2週間頃から大幅に「競馬」の投稿数が増加しています。ただこのグラフだけでは「ウマ娘」が「競馬」の投稿数増加に影響を与えたかははっきりわかりません。

競馬とウマ娘の投稿比較

このグラフは「競馬」「ウマ娘」の投稿数を比較したものです。「ウマ娘」の投稿数が増加したタイミングと「競馬」の投稿数が増加したタイミングが一致しています。
このことから「ウマ娘」の影響で「競馬」の投稿数が増加したと言ってよいでしょう。

「競馬」の人気キーワード、センチメントの変化

続いて「競馬」に関する投稿の中で使用されている人気キーワードや、センチメントを去年と比較してみます。2020年と2021年の同じ時期に投稿されている言葉や感情に変化はあったのでしょうか。

2020/4/12~2020/5/16

2020年人気キーワード

2021/4/11~2020/5/15

2021年人気キーワード

「競馬場」「レース」「予想」など2020年、2021年に共通するキーワードがありますが、それ以外のキーワードに注目します。2020年は、「ギャンブル」「競艇」「地方競馬」「パチンコ」といったギャンブルに関連するキーワードが多く並んでいます。

一方2021年はゲーム名に含まれる「ウマ」「ウマ娘」が多く使用されていることや、SNSのプレゼントキャンペーンが多く実施されていることから「キャンペーン」「抽選」「当たる」等が多く見られます。また2020年に多く投稿されていたようなギャンブルに関連するキーワードは比較的少なくなっています。

「競馬」「初めて」の投稿数の変化。ビギナーは増えたのか?

「競馬」に関連する投稿数は「ウマ娘」サービス開始以降あきらかに増加し、「競馬」に関する投稿内容もゲーム関連が多くなるなど変化がありました。では実際に「競馬」を楽しむ人は増えたのでしょうか?下記グラフはX(旧Twitter)の未認証ユーザーで「競馬」かつ「初めて」というキーワードを使用した投稿数の推移です。

競馬初めて投稿数

2021年2月頃から大きく投稿数が増加しており、「競馬」全体の投稿数増加時期と重なっています。
人気投稿の中には「初めて競馬場に行った」といった競馬場の初体験や、「競馬初めてのすぐのころは…」という経験者の回顧録、「ウマ娘の影響で初めて競馬に触れる人が多い時期に高額当選なんて…」といった経験者がウマ娘の影響で競馬を見始めた人を心配する投稿などがみられました。
競馬の初体験に関する投稿や、元々の競馬ファンによる初心者に言及する投稿が増えていることから競馬を楽しむビギナーファンは増えたと考えられるでしょう。

また特に投稿数が大幅に増加している2021年4月4日には、ウマ娘の声優・Lynnさん(@Lynn_0601_)が、自身が声優を務めるマルゼンスキーの血統馬であるレイパパレを含む3連単を購入し、払い戻しが100万円以上になったことが話題となったためです。

「天皇賞」投稿分析からユーザーの変化を分析

競馬を投稿する人は増えていても、実際に競馬を見たり馬券を購入したりレースを楽しむ人は増えたのでしょうか?続いては毎年2回春秋に開催されるG1レース「天皇賞」について、投稿数や、投稿しているユーザーを比較してみました。
※2020年4月の天皇賞春ではルメール騎手騎乗のフィエールマンが、2021年4月の天皇賞春では福永祐一騎手のワールドプレミアがG1レースを制しています。

「天皇賞」の投稿数(2019/3~2021/4)

天皇賞の投稿数

2021年天皇賞春は投稿数が大幅に増加しています。ウマ娘のゲーム内でも「天皇賞春」のイベントが開催されており、投稿数増加には影響していると考えられますが、レース当日の投稿数が大幅に増加していることから、実際の競馬の「天皇賞春」に関する投稿数が増えたことは間違いありません。

続いて「天皇賞春」について言及したユーザーの属性を分析します。

2020年天皇賞春投稿者(2020/04/19~2020/05/16)

ユーザー傾向2020年

2021年天皇賞春投稿者(2021/04/18~2021/05/15)(2020/04/19~2020/05/16)

ユーザー傾向2021年

性別や自己紹介キーワードでは、変化が出ています。2020年は男性が59%女性が41%でしたが、2021年は女性51%男性49%と比率が逆転しています。また自己紹介キーワードでも2020年は競馬関連のキーワードが多く、コアファンが多かったと考えられますが2021年は「ウマ」「アニメ」「ゲーム」を自己紹介に含む割合が増加しています。

「ウマ娘」で人気のキャラクター(競走馬)

競馬の人気に大きな影響を与えている「ウマ娘」。「ウマ娘」で人気のキーワードやキャラクターを分析すれば、今後のトレンドが見えてくるかもしれません。下記のキーワードは2021年2月20日~5月20日の過去3か月、未認証アカウント(Twitter)を対象に投稿数が多いキーワードを分析した結果です。

ゴールドシップ(ゴルシ)、ライスシャワー、トウカイテイオー、ハルウララ、メジロマックイーンなどが人気となっています。それぞれの人気キャラクター(競走馬)をより深く分析すると、なぜ人気なのかを紐解くことができます。そのデータはSNSキャンペーンや商品展開に利用することもできるでしょう。

競馬のファン層を拡大したウマ娘。今後に注目!

ウマ娘きっかけで競馬の話題量が増え、実際に競馬を始めた方の増加にも貢献し、ギャンブル好きなコアファンで構成されていたファン層に女性人気やゲーム人気のライト層を取り込んだと考えられます。公開から3か月ほどで多大な影響を与えているウマ娘。今後どのような影響を与えるのか注目です!

このようにソーシャルリスニングツールを活用してSNS投稿を分析すれば、消費者の傾向を細かに把握することができます。自社のサービスやブランドを分析してみたい方はぜひ一度お問合せください。

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